春分・秋分の日の石彫刻陽光モニュメント

春分・秋分の日の陽光モニュメント(岐阜新聞)

【岐阜新聞(1996年9月21日付掲載) 記事全文】

石は宇宙エネルギーのシンボル。そして、天と地と人を結ぶ陽光は、新しい希望を未来に結ぶ存在―。

独自の技法「石刻画」を確立した加茂郡川辺町出身の山田光造さん(51)=千葉県佐倉市=が、石のモニュメント「陽光」シリーズを県内で展開している。

「石刻画」は、石に刻んだ凹凸部分に色をのせ、和紙を押し付けて染め込んでいくもの。世界屈指の東洋コレクションで知られるドイツ国立ベルリン東洋美術館の主宰で個展が開かれるなど、その芸術は高い評価を受けている。

全宇宙のエネルギーの宿る石の息遣いを、芸術で伝えてきた山田さんにとって、「石」は神秘が宿る素材。十年ほど前、奈良シルクロード博のモニュメント制作時から、石刻画から立体作品へ本格的に制作の幅を広げた。

県内での最近の代表作は、今年四月に加茂郡七宗町にオープンした「日本最古の石の博物館」地内に設置した「天乃磐船」(高さ七メートル)。

「超古代の日本人は『天の浮き舟』と呼ばれる石製の舟に乗って、世界の国々と交流したといわれている。それをイメージに置いた」という作品は、七宗町にちなんで組まれた七個の花こう岩に、鉄鋼材の赤色のアーチが載る。太陽を意味する赤のアーチには、二つの穴が開けられている。

「春分と秋分の日に、陽光が二つの穴をちょうど突き抜けます。モニュメントの前に立ち、自分なりの太陽と宇宙を感じてもらえれば」と山田さんは話す。

同様に、春分と秋分の陽光に着目した作品が今年八月、山県郡高富町の「四国山香り公園」内にも置かれた。高さ約三百三十センチの花こう岩の板を合わせた作品は、「いわとびらき日想観」と名付けられている。岩と岩の透き間から、春分と秋分の日に陽光が差し込み、モニュメントの西側約五メートルに置いた巨大な水盆に届くような設定。水面に映った光は人々を照らす。

岐阜市の岐阜公園内の日中友好庭園にも、山田さんの作品が見られる。地球の中にあるマグマが竜と化し、天空を駆けんとする姿を表した花こう岩の作品。地球の真ん中に開けられた穴から、岐阜城が見え、陽光が差し込むことも計算して制作されている。

「モニュメントというのは、象徴する意味もあるが、同時に人々に希望や喜びを感じさせるものだと想う。宇宙のかなたから希望を届ける陽光を素材にしたモニュメントを、今後も展開してみたい。こうしたモニュメントを、季節を楽しむ舞台装置の一つとして考えてもらえればなおうれしい」と、山田さんは語っている。

・写真上段左、下段左(作者掲載)・・・「天乃磐船」
     現在は、日本最古の石博物館地内から移設されています。
     新移設先 : カブチ山田クリニック広場 (岐阜県加茂郡七宗町神渕10290−1)

・写真下段右・・・「いわとびらき日想観」
     四国山香りの森公園 (岐阜県山県市大桑726-1)

・写真上段右
     岐阜公園内 日中友好庭園 (岐阜県岐阜市大宮町1丁目)

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